『Gate of Windnest ―隷属の少女―』の制作者の星八角です。
 ご購入された方、あるいはされていない方、お越しいただきありがとうございます。

 こちらではあとがきのようなものとして、つらつらと書かせてもらっております。
 一応全Hシーンまで解放した方向けに書いています。Ver.2.0以降のゲーム内のネタバレもかなりありますので、ご注意ください。




















<まずは反省とおわびを>
今作では不具合のほかたくさんの反省点がありました。
もう一度最初から作り直したいくらいですが、その想いは次回作でと考えています。
ご要望のうち反映できなかったものも多く、そういったものも次回作で反映させていきたいです。

・不具合
今作では不具合がたくさんありました。改めておわび申し上げます。
パチュアの戦闘不能が宿屋で治らないとか本当にひどかったです。大反省です。次回作をと考えているのも、このゲームのシステムの根本に弱い部分があり、もう一度ゼロから作り直したい気持ちが強くなってきたためです。

・フルボイス
ゲーム内容に自信がなかったので根性でなんとかなる要素としてフルボイスにしていました。
いくらか良い方向へはたらいたと思いますが、今後も同じようにフルボイスにするのはテキスト量的に不可能であると判断しました。とくに容量の肥大化が深刻で、ダウンロード販売サイトなどでの制限に引っ掛かる可能性すらあるようです。フルボイスは今回のみか、あるいはもっと規模の小さいゲームを作るときまで封印です。

・サブヒロイン
主人公とミルカだけの二人旅ではRPGとしてどうなのかということでサブヒロインを追加しました。
しかしどうしても中途半端な存在でした。個別でHイベントを発生させるというのも作業が多かったです。ミルカのようなメインヒロインを増やす方向で次回は考えています。
とくにサブヒロインはカブリを警戒して癖の強いキャラ性になるのが厳しく、仲間になることや、単発でHシーンが発生することも考慮するとかなり無理が生じてしまいました。
追加アップデートでもスタッフの都合でミルカの要素を増やすことが難しかったのも大反省です。今となっては、もっと日常シーンなどを作ってみたかったです。

・着せ替え
やりたかったことはやれましたが、ミルカの着衣Hシーンがないのが作っていても寂しかったです。この点については改善策を考えていますので次回作で反映させます。
また、追加アップデートで加えた立ち絵の髪型の変更が地味にお気に入りでした。可能であれば次回作でもっと発展させてみたいです。ただ、着せ替えがあるわりに立ち絵が表示される機会が少なく、そこが反省点です。次回作ではフルボイスを撤廃することで通常会話を増量する方向で考えています。



<よかったところ>

・無言、無設定主人公
まさかこんなにも受け入れていただけるとは思っていませんでした。ADV形式ならば難しいでしょうが、RPGならば意外としっくりハマったシステムでした。全体的に某国産有名RPGシリーズと某世界的有名RPGシリーズを参考にしています。

・どこでもHシステム
最初は一定の場所でのみHできるという案だったのですが、「一定の場所」をどこにするかの正解が考え付かなかったので「どこでも」にしました。羞恥心が装備制限と往来度に関係する複合的なパラメータになったのは個人的にすこし気に入っています。

・ダンジョンRPG
必要最低限だったと思います。もっと色々やりたいことがありました。でもこのゲーム性のおかげでテストプレイは楽しかったです。アイテム図鑑についてはプレイヤーからのご要望をもとに制作しましたが、最初から作っておいて然るべきシステムでした。反省です。

・ジェムシステム
発売1ヶ月前に急遽追加したシステムでした。サブヒロインを追加したまではよかったのですが、サブヒロインには着せ替えがなく防具の変更ができないため、RPG的な編成がほぼできなかったからです。そこでジェムという見た目に関与しない装備を追加しました。苦肉の策でしたが上手く機能していたようで幸いでした。

・マスターシーンの排除
よかったところというかこだわったところです。
ゲーム画面はすべて主人公=プレイヤーキャラが見える範囲しか見えません(壁の向こうとかは見えますが)。キャラクターや世界観についても設定がけっこうありますが、直接的な開示はあまりしないように作っています。主人公以外を操作するシーンもありませんし、主人公をシステム側で強制移動させるシーンもなるべく少なくしています。

・Hシーンはすべてプレイヤーキャラ
最大のこだわりといっていいポイントでした。しかしシナリオ的にはかなり難しかったです。この点についてはまだまだ試行錯誤の途中です。


<キャラクターの話>

・ミルカ
名実ともに今作のメインヒロインでした。一応は調教ゲームとして考えていたので、性格は「気の強いツンデレタイプ」か「儚げな少女タイプ」かの二択で考えていましたが、主人公が無言なのでドンドン喋ってもらうためにツンデレタイプを採用しました。
最初は髪の色がピンクでしたが、着せ替えシステムを考慮して今のような色になりました。

・パチュア
ゲームタイトルロゴに登場していますがサブヒロインです。筆頭サブヒロインです。めちゃくちゃ書きやすく、作っていて一番楽しかったキャラだったと思います。登場は派手ですが、実は能力的にはそんなに強くありません。
モデルは某鉄骨から始まるゲームのライバルキャラだったはずですが、ほぼ原形がありません。

・アイリス
平和な人です。調停役というか、地味な人です。……が、能力的には相当強いです。全キャラのなかで一番一般人に近いと思います。こういったキャラクターはもっと通常シーンを書かないと魅力が発揮されないですね。
声優さんの声が非常に合っています。ちなみにミルカと同じ方です。

・マァナ
ほかのヒロインと対比させるつもりで作りました。そのため唯一の非処女設定になっています。
しかしなぜか逆に目立つようで、好きな人は好きみたいです。スタッフでもマァナが一番好きと言っていた人がいました。気軽に付き合えるからでしょうか。
最初はツインテールで可愛らしい守銭奴キャラのデザインだったのですが、ミルカやパチュアと被るため変更した経緯があります。

・ジルト
制作者の趣味が発揮されているキャラです。しかしゲーム的には優遇しないようにしようとしたところ、逆に弱くなりすぎました。アップデートのたびにいくらか上方修正されていますが、まだ弱い気がします。
意外とデレましたね。制作者的にも意外でした。基礎デザインはとある外国人の美術の先生にお願いしていまして、非常に凝った衣装になっています。

・リムリム
「"マスター"って呼ばれたいよね」というコンセプトのキャラでした。そのまんまですね。最初の予定ではもっと出番は少なかったのですが、無言主人公との相性が良かったために出番がどんどん増えていきました。また、声優さんが良い感じのボイスを当ててくださったので、さらに出番が増えました。制作者的にはかなりお気に入りです。

・レイチェル
娼館でラスボスと出会うという案は制作初期からありました。メインクエストをすべて一人で請け負っているのでシナリオ制作的にはとんでもないキャラです。
語られていない部分が多く、謎が多いです。どこからがレイチェル本人の意志だったのかとか、もしかして処女なのか?など……。

・シャルロット
ほかの奴隷愛好家を出したいという案から誕生したキャラクターです。しかしこのゲームのプレイヤー的には責められるよりは責めたいのではないだろうかと考え、本人の性癖はゲーム中のとおりです。
気に入っているのですが、同時に多くの反省点が残る筆頭キャラでした。

・カリン
最後までデレないキャラクターがいてもいいだろうということで誕生しました。作っていて非常に難しく、もうちょっとやりようがあったとは思います。シャルロットと合わせて反省しきりです。
デザインは当初はレイチェルの第一稿として作られていたものです。肌の色などに名残があります。

・フィファ
制作者の趣味が発揮されているキャラその2です。かなりのシナリオ修正が入っていて、フィファHイベントはボツになったものもありました。サブヒロインのHイベントの構成としてはフィファHイベントがひとつの結論でもあります。
本編ではまったく触れられていませんが、フィファ、リムリム、ウインディアの耳が一般人と違うのは明確な設定があります。

・ウインディア
『Gate of Windnest』の最後のキャラクターです。ゲーム的にも、制作的にも、シナリオ的にも、設定的にもです。リムスレイフやイヴリンテインとはまったく無関係の立ち位置です。
Hシーンを見るためにやりこみを必要とするというゲーム構成を避け、敵として登場するときの強さのバランスはやや低めにしたつもりです。とはいえ、竜脈の武器がいくつかないと厳しいかと思います。
仲間になるのはおまけです。アイテム図鑑をコンプリートする場合のおともにいかがでしょうか。
性格的にはこれまた制作者の趣味が発揮されています。

・ダークユニコーン
なにかの可能性を感じます。
出番は少ないですが実はとても気に入っています。次回作にも出したいキャラ筆頭です。


 
<こぼれ話>
「魔剣を持って奴隷少女を連れて、って某老舗メーカーの有名エロゲの主人公じゃないか!!」と気づいたのは発売後2ヶ月くらい経ってからです。というか今のところ誰からも突っ込まれてません。「うーん、戦国ラ○スみたいなゲームも作ってみたいけど大変そうだなあ…あッ!?」と不意に思ったときに気づきました。



<おわりに>

ご購入、プレイしてくださった方々、本当にありがとうございます。
『Gate of Windnest』では、たくさんの収穫と反省点を得られました。こんなゲームを受け入れてもらえるのだろうかという不安が何か月も続きながらの制作だったので、たくさんの方々に遊んでもらえたのが本当に嬉しかったです。 

それでは、また次のゲームでお会いできますよう、今後もがんばっていきます!